問26 「虚実」について説明しなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
虚実とは「空虚」と「充実」を意味し、「虚」とは気力や準備がまだ整っていない状態をいい、「実」は、気力が充実しいつでも打てる状態のことをいう。
したがって打突の機会は、自分が「実」の状態を保ったままで、相手の「虚」を突くことが重要となる。逆に自分が「虚」を生じさせないようにしておかなければならない。
問27 「四戒」について説明しなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
「四戒」とは
- 驚(きょう)「予想していない相手の動きに驚いてしまう事」
- 懼(く)「相手の気迫や雰囲気(風格)などを恐れて萎縮してしまう事」
- 疑(ぎ)「自分の実力に自信をもてず、負けてしまうのではと疑う事」
- 惑(わく)「何を打つか迷ったり、相手の動きに戸惑ってしまう事」
この4つの心の状態になってしまう事を戒める教えです。つまり、自分の動作や気迫によって、相手の心をこの4つの状態に変化させることができるのが「攻め」と言えます。
心がこの状態になってしまうと、正確な判断や動きができず、呼吸も乱れるので、相手のペースにはまってしまいます。
剣道で強いと言われる選手は、相手の攻めに動じない「不動心」を作る修練を積んでいます。出来る限り自分の構えを崩さず、いつでも打てる態勢を作っておくというこが大切です。
問28 「平常心」について説明しなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
剣道における「平常心」とは、どのような状況でも冷静さと落ち着きを保つ心の状態を指します。平常心を保つことで、冷静な判断力と性格で安定した技を出すことができます。また、常に冷静かつ堂々とした姿勢を見せることで、相手に心理的な圧力をかけることが出来ます。
問29 「不動心」について説明しなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
剣道における「不動心」とは、様々な状況下においても動じない心のことをいい、常に平常心を保つために大切な事です。特に相手と対峙する際には、いかなる攻めにも動じないことで、自分に虚の状態(四戒)をつくらないということが大切です。
問30 「打ち込み稽古」について説明し、「指導上の留意点」を述べなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
打ち込み稽古とは、打ち込む側が、元立ちの与える打突部位を、打突の基本に注意しながら大きく正確に捉えて、連続的に打ち込むことで、打突の基本的技術や呼吸法を修得する稽古法です。
指導上の留意点
■打ち込む側
- 元立ちの与える機会を逃さず、気剣体一致の打突を心掛ける
- 充実した気勢と適正な姿勢で打突する
- 常に打突の機会を捉えられるよう、集中して行う
■元立ち側
- 間合いに注意して、打突の機会を的確に与える
- 正しい打突を引き立てる
- 気を抜かず、常に合気になって行う
- 単調な技の繰り返しにせず、連続技や体当たり、引き技などを組み合わせて変化をつける
問30 「掛かり稽古」について説明し、「指導上の留意点」を述べなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
掛かり稽古とは、掛かる側が打突の成否などを一切考えず、自ら攻めて、積極的に打突の機会を生み出し、短時間のうちに全力で連続的に打ち込むことで、打突の技術や心肺機能を強化するとともに、気力体力を錬りあげていく稽古法です。
指導上の留意点
■掛かる側
- 正しい姿勢と正しい構えから動作を行う
- 刃筋正しく、気剣体が一致した打突を意識する
- 短時間でできるだけ多くの打突をして、呼吸法を修得する
■元立ち側
- 間合いに注意して、打突の機会を的確に与える
- 気を抜かず、常に合気になって行う
- 掛かる側の気力体力が萎えてきたら、気持を奮起させるよう導く
- 掛かる側が居付いたり、気剣体一致の打突が出来なくなってきたら、間合いに配慮したり、いなしたり、応じたり、出ばなを打つなど工夫する
- 単調な技の繰り返しにせず、連続技や体当たり、引き技などを組み合わせて変化をつける
- 常に冷静な態度で対応し、決して無謀な行為はさせない。
問30 「互角稽古」について説明し、「指導上の留意点」を述べなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
「互角稽古」(ごかくけいこ)は、同じくらいの実力を持つ者同士が対等な立場で行う稽古のことを指します
指導上の留意点
- 修得した基本動作や応用動作を崩すことなく、充実した気勢で真剣に行わせる
- 相手を恐れず侮らず、相手と対等な気持ちで行わせる
- 立ち合いの「初太刀」を大切にして、1本1本を打ち切る気持ちで行わせる
- 間合いの取り方や攻め方、打突の機会の見つけ方や作り方、技を出すタイミングなどを工夫する
- 相手を選り好みせず、つとめて多くの人と稽古をさせる
問31 「引き立て稽古」について説明し、「元立ちが留意すべきこと」を述べなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
「引き立て稽古」は、経験や技術の差がある者同士が行う稽古の一形態です。特に上位者が下位者を指導しながら稽古を行う際に用いられます。この稽古の目的は、下位者の技術向上を促し、自信を持たせることです。
指導上の留意点
- 合気となって、基本から離れないようにして実践的に行わせる
- 攻め合う中で瞬間的に打突の機会を与え、すかさず打ち込むようにさせる
- 技を殺すと伸びなくなるため、多彩な技が正しく修得できるようにさせる
- 気迫や気力が萎えてきたら、発奮するように導く
【全日本剣道連盟学科審査解答例より引用】
コメント