問4 「切り返しの受け方」について説明し、「指導上の留意点」を述べなさい
全日本剣道連盟模範解答例
中段の構えから、機を見て剣先をやや右に開いて正面を打たせる。直ちに連続左右面を後退しながら4本、前進しながら5本打たせ、打ち終わったら中段の構えとなり、直ちに剣先をやや右に開いて正面を打たせる。
なお、左右面の受け方には二通りある。引き込む受け方は、特に初心者の打ちを受ける時に用いられ、一本一本の打ちを十分に伸ばすようにする。打ち落とす受け方は、技能の上達した者の打ちを受けるときに用いられ、打つ瞬間の手の内の締めや、打ち落とされたことによる上肢の脱力と手の返しを修得することができる。
指導上の留意点は以下の通り
- 受け方は、引き込む方法と打ち落とす方法があるので、掛かる者の技能を認識する
- 連続左右面打ちは歩み足で受ける。竹刀を垂直にして、左拳はほぼ腰の高さ、右拳はほぼ胸の高さとし、両拳が上がり過ぎないように注意する
- 気を張って、合気となり、大きな声を掛けて相手を引き立たせる
- 左右面打ちは、左面から打ち始めて左面打ちで終わるようにし、正面打ちも正確に打たせる
- 前進と後退の両方を必ず行う
- 最後の正面を打った後は残心を示すようにさせる
【全日本剣道連盟学科審査解答例より引用】
問5 「体当たり」について説明し、「指導上の留意点」について述べなさい
全日本剣道連盟模範解答例
体当たりとは、打突後の余勢で、自分を腰から相手にぶつかることで、相手の態勢を崩し、打突の機会を作る動作です。
相手に身体をぶつけると同時に、両拳を相手の下腹部から救い上げるようにして当たり、相手の気勢を挫くとともに、相手の態勢が崩れた瞬間にすかさず打突できるようにすることが重要です。
指導上の留意点は以下の通りである
- 手先だけでなく、腰を中心にして全身の力で当たる
- 当たりながら下から押し上げるようにする
- 当たる際は絶対に頭を下げない
- 体当たりをして、相手が退がれば追い込んで打つ。
- 相手が体当たりで崩れない場合は、押し返す力や反動を利用して、引き技や交わして打つ
- 体当たりと打ちは一連の動作にする
【全日本剣道連盟学科審査解答例より引用】
問6 「体当たりの受け方」について説明し、「指導上の留意点」について述べなさい
全日本剣道連盟模範解答例
下腹に力を入れて、腰を据え、むしろ一歩前進して、逆に体当たりを行うような気持で受ける
指導上の留意点は以下の通りである
- 手先だけでなく、腰を中心にして全身の力で当たる
- 当たる際は絶対に頭を下げない
- 受ける際は、左足のかかとを上げるようにさせる
【全日本剣道連盟学科審査解答例より引用】
問7 「正しい鍔迫り合い」について説明し「指導上の留意点」を述べなさい
MUNASHI的解答例(全日本剣道連盟模範解答参考)
鍔迫り合いは、お互いの攻撃(打突)によって、間合いが近くなり、鍔と鍔が競り合った状態のことです。
互いの竹刀をやや右斜めにして、右手をみぞおちの前あたりに持ってきて、身体の中央で鍔と鍔で競り合います。この時、小手が相手の刃部に触れたり、小手同士の押し合いにならないようにし、競り合い中は掛け声(気勢)を発しないなど注意が必要です。
手元の変化や、足さばきによる体勢の入れ替えによって、相手が崩し、打突の機会をつくります。
指導上の留意点は以下の通りである
- 手元を下げて、下腹部に力を入れて腰をしっかり伸ばす
- 首を真っ直ぐに保ち、相手と背比べをする気持ちで相対し、身体が前傾しないようにする
- お互いの鍔と鍔が競り合うようにする
- 相手の方に故意に竹刀をかけたり、刃部を身体にかけたりしない
- 必要以上に力んだり、気を抜いて休まない
- 積極的に技を出すか、一呼吸おいてお互い技が出ない場合は、速やかに分かれる
【全日本剣道連盟学科審査解答例より引用】
問8 「有効打突」について説明しなさい
全日本剣道連盟模範解答例
有効打突とは「充実した気勢、適正な姿勢を持って、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるもの」である。その他、打突の強弱、手の内の冴え、身体の捌きなどの要素が備わり、総合的にみて有効打突は決定される。
有効な打突は理合と残心からなっており、理合を要素と要件にわけると、要素には、間合い・機会・体さばき・手の内の作用・強さと冴えが含まれる。要件には、姿勢・気勢・打突部位・竹刀の打突部・刃筋が含まれる。残心は打突後の身構え・気構えである。
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