剣道がもっと強くて楽しくなる「3つの攻め」を身に着ける

第3章　竹刀操作による攻めの基本を学ぶ

竹刀操作による攻めの基本とは

　今度は竹刀による攻めの基本です。常に竹刀と足は連動しなくてはいけません。有効打突と判定される基準として「気剣体の一致（きけんたいのいっち）」というものがありますが、まさしく竹刀が「剣」、足が「体」を表します。ちなみに気は「発声」ですね。では、早速、竹刀操作による攻めの3つのポイントを学びましょう。

竹刀操作による攻め①中心をとるべし

　剣道では攻めの基本として中心を取った方が勝ちという教えがあります。相手の体の真ん中に縦の線が入っているとイメージしたとき、その線がまさしく中心ということになります。これを「正中線」と呼びます。相手の間合いに中心を取って攻めこみ、打突するその瞬間まで中心を外さないようにする。というのが基本になります。稽古の時には必ず中心を取ってから技を出せているかを常に意識しておきましょう。ただ、試合になれば当然、相手も中心を取ろうと動きますので、実際には常に最初から最後まで中心を取れているという状態はほぼ不可能と考えていいでしょう。ですから、高段の先生同士の立ち合いなどでは、中心の取り合いだけで何分も動かないということもあるわけですね。

竹刀操作による攻め②竹刀は縦に動かすべし

　では中心を取るにはどうしたらいいのでしょうか？剣道の指導の過程で、中心を取りなさいというと相手の竹刀を横に払うようにして、相手の中心を外そうと躍起になる人がいますが、これは間違いです。なぜなら、相手の竹刀を外そうと、竹刀を横に振ることによって、自分も中心が取れていないからです。

　中心を取るためには、竹刀を縦に動かすように意識します。相手の竹刀の上から相手の鍔元をグッと抑え込むような気持で中心を取ります。剣先に気を集中して、体重を乗せるつもりで右足とともに中心を割って攻めます。攻めが効いて相手が居付いたところをすかさず打突します。

竹刀操作による攻め③わざと中心を外すべし

　お互いにずっと気を張り詰めて同じように中心を取りあっていても、なかなか技を出すチャンスが生まれないということも多々あります。そんな時は、わざと瞬間的に中心を外して、虚をつく（相手に油断を誘う）というのも攻めの一つになります。先をかけて虚をつき、先々の先（出鼻技）あるいは後の先（応じ技）で仕留めるという攻め方です。