第4章 六段審査合格者に聞く成功の秘訣
合格者が語る受験前の準備
剣道六段審査に一発合格した人々は、受審前に明確な準備を重ねています。多くの合格者が口にするのは、「本番だけでなく日々の積み重ねが重要」だということです。その中でも、稽古の質を高めることが鍵とされています。
基礎を確実に固めるだけでなく、得意技の熟練度を向上させるために、一つひとつの技や動作を深く理解して稽古することが必要です。また、形審査への対策として、先輩や指導者に意見を求めることで、自分の技術の改善点を明確にすることが合格への近道となります。
さらに、審査会場の特徴や進行について事前に情報収集を行う合格者も多いです。可能であれば、受審される前に、一度審査会場へ出向いてみるのもいいと思います。私は受審する1年前に、近くの審査会場へ視察にいって雰囲気をチェックしておりました。
当日の自分の状態をベストに保つため、食事や睡眠、体調管理にも細心の注意を払うことを忘れずに行いましょう。これらの準備を通じて、心の余裕と自信を持って審査に臨むことができるはずです。
審査当日に意識したいこと
審査当日は平常心を保つことが何よりも重要です。六段審査はその高い難易度ゆえに、多くの受審者が緊張してしまいます。しかし「緊張自体を楽しむ」程度の姿勢をおすすめしています。緊張は集中力を高める助けにもなるため、その感覚を上手にコントロールすることが大切です。
受付をすると、受付番号と自分の情報が記載された紙をもらえます。そこに審査会場が記載されていますので、準備をして審査会場控え場所にて待機しておきます。
審査会場に入ると、受審者が数百名集まっていますので、その雰囲気に飲まれがちです。しかし、そこは堂々と、私の方が格上だぞという気持ちで、黙想を行うなど心を落ち着かせるといいでしょう。
審査前には係員より、必ず審査の流れの説明がありますので、しっかり聞いておきましょう。審査会場ごとに集まったら、審査順に都道府県名と名前を呼ばれ、審査番号が書かれたシールを垂れネームの場所に貼られ、面を付けたらそのまますぐに実技審査が始まります。年齢順ですので、どの順番になるかは、その時次第ですが、もし、一番最初の組で呼ばれたとしても、動揺したり慌ててしまうことが無いように平常心を保ちましょう。
立ち合いでは自分の剣道の持ち味をしっかりと見せることが重要です。焦らず、普段の稽古で培った自信を持って臨むことで、合格に近づくでしょう。
不合格から学ぶこと
六段審査は非常に難しく、不合格になることも珍しくありません。私は幸いにして、1発目で合格を頂くことが出来ました。立ち合いが終わったあとは、やり切ったという感想が70、もっとこうすればよかったという反省が30くらいの割合でしたので、これでもし不合格だったとしたら、この部分を修正して、また再挑戦しようというのが具体的に浮かんでいました。
多くの再挑戦者が語るのは、失敗を次へのステップとして捉える大切さです。仮に不合格に終わった場合も、その経験や反省を基に自己分析を行い、改善点を明確化することが必要です。不合格理由については、指導者や審査員の批評を参考にし、自分の癖や不十分な点を克服するための具体的な稽古法を取り入れることが推奨されます。
出来ればどなたかにビデオ撮影を依頼しておくと、後で見返すことで修正点が見つかりやすいです。
六段審査の高い難易度を意識しすぎず、目標に向けて粘り強く努力する心構えを持つことが成功への鍵と言えます。「審査結果が次の成長への指針」と捉え、失敗を成長への糧として活かすことで、次回受審合格に向けて日々精進あるのみです。
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