第2章 具体的な稽古法と準備
基礎を重視した日々の稽古
剣道六段審査で合格を目指すには、基本の徹底が欠かせません。基本を見直して正しい姿勢、適切な足さばき、そして的確な打突の質を高める稽古を取り入れましょう。特に、構えの安定と間合いの先の取り方には日々高い意識を持って稽古に臨むとよいと思います。
ちなみに私が稽古時~本番で意識していたのは次の4つです。
- 相手の発声の途中から上書きするような気勢を掛ける
- 先に自分の間合いに入り我慢、相手が動く瞬間を捉える
- 打突時の発声はしっかりと伸ばす
- 打突が捉え切れていなかったとしても、打ち切って残心までを堂々と行い、縁を切らずに次を先に作る。
比較的シンプルだと思います。でも稽古は真剣にやるので結構キツイです。
理合を意識しよう
また、六段審査で求められる「理合」を再確認することも錬熟度を高めるよい稽古になります。「理合」とはその字のごとく、自然の理に合う事です。わかりやすく言うと、例えば、立ち合いでこちらが充実した気勢をもって、先に間合いを詰めたとき、相手の心にその気が伝わると、相手は何かしらの反応を示します。相手が居付いた反応であれば、その瞬間を捨て身で打ち切る、慌てて打って出てくるようなら出鼻技で応じる、といった具合です。
立ち合いで評価されるための「理合」としては「相手の心をいかに動かして先に捉えることができたか」という部分が、重要なポイントの一つになります。相手が思うように動いてくれないという時は、気が伝わっていないか、相手の方が錬熟度が高いかという事になります。また、当然相手も打ちたいと考えているわけですので、相手を動かして打ちたいというところに気を囚われすぎて、逆に自分が動かされてしまわないように、稽古で日々研鑽していくといいと思います。
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