第3章 模範とするための映像学習と剣道形
高段者の立ち合い映像を観察するコツ
映像学習は、剣道五段の昇段審査においてとても重要な稽古法の一つです。高段者の立ち合い映像を見る際には、ただ漠然と視聴するのではなく、特定のポイントに注目しながら観察することが効果的です。具体的には、間合いの取り方、起こりを捉えるタイミング、そして打突後の姿勢と気迫を重点的に観察しましょう。特に五段昇段審査では、気位や風格が大切とされるため、「魅せる剣道」の観点で高段者の動きを参考にすることが役立ちます。さらに、映像を繰り返し視聴することで、自分の稽古で不足している点を具体的に見つけ出せるでしょう。
五段審査での剣道形の実施ポイント
五段の段位審査では、剣道形の実施において「深く練られた技術」と「自身の風格」が求められます。実施ポイントとしてまず押さえておきたいのが、正しい所作と礼法です。これらは立ち合いの前後で初めて採点対象となり、昇段審査そのものの印象を左右します。次に、各所作の間合いや太刀筋の正確さ、気剣体の一致が強く注目されます。また、五段審査では太刀の型七本と小太刀の形三本の形を打ちますが、ただ単に動作を覚えて動けばよいというのではなく、一つ一つの動きの意味(理合)を意識できているかどうかも、審査において重要になってきます。稽古では指導者や高段者から理合についての具体的なフィードバックを受けることで、剣道形の動きの意味をより深く理解できるようになるでしょう。五段の剣道形においては、「いかにして気迫を演出できるか」という点が合格の鍵を握るでしょう。
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