第5章 胴打ち向上のためのメンタルアプローチ
練習で集中力を高める方法
剣道における胴打ち技術の向上には、集中力が欠かせません。稽古のたびに「何のためにこの練習をしているのか」を意識し、目標を持つことが集中力向上の第一歩となります。例えば、「今日の胴打ちは正しい刃筋を通すことに専念する」といった具体的な目標を設定してください。このように明確なゴールを持つことで、心が散漫になるのを防ぐことができます。
また、胴打ちにおいて特に重要とされる「下半身と腰の連動」を練習しながら、野球のバッティングのように腰をしっかりと使うイメージを持つことで、技術を意識的に高めつつ集中力を発揮することが可能です。試合での緊張感を想定して稽古をすると、動作の精度を磨きつつ、本番への準備が整います。
加えて、一定時間を集中して取り組む「タイムボックス法」も効果的です。時間を区切って集中稽古を行い、その後小休止を挟むことで集中力を持続させましょう。
失敗を恐れないマインドセットの作り方
胴打ちを上達させようとする中で、失敗を恐れる気持ちが障壁となることがあります。しかし、試合や稽古では失敗から学ぶことが最大の成長につながります。胴打ちの打突が外れてしまう場合も、「どのように振りかぶり、どう打てば当たったのか」を振り返る習慣を身に付けることで、改善点が見えてきます。
失敗をポジティブに捉えるためには、「ミスは技の幅を広げるためのステップ」と考えることが大切です。たとえば、稽古の際にあえて返し胴や逆胴などの高難度技に挑戦することで、失敗を恐れず新しいスキルを身につける心構えが強まります。また、剣道男子や剣士全般に共通する考えとして、自分の弱点に向き合い克服する姿勢が最終的には勝利につながるでしょう。
日々の練習で自分の変化に気づけるよう、小さな目標を設定し、それを達成していく習慣を作ることで、失敗への恐れを次第に払拭できます。
成功体験を増やして自信をつける
胴打ちの技術を確立するためには、成功体験を積み重ねることが大切です。試合や稽古で「自分でもできる」という感覚を持つと、自信へとつながり、より積極的な技への挑戦が可能になります。
成功体験を増やすために、一人稽古やパターン稽古を通じて反復練習を行い、必ず目に見える成果を意識してください。例えば、打突音の良し悪しや、元立ちの相手の竹刀にしっかりと当たっているかなど、細かいポイントを確認することでモチベーションを高める工夫が有効です。
また、試合では今までの稽古で培った胴打ちを積極的に使う場面を作り出してみてください。たとえ最初は失敗しても、次第に成功する感触が体得できるはずです。成功体験が増えることで、自信を持って試合に臨む剣士になれるでしょう。
さらに、稽古後に自己評価を行い、上達したポイントを確認することも重要です。成長を自分で実感することでポジティブな気持ちが生まれ、明日の稽古への意欲が高まります。
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